家族葬から「身内葬」へ
お葬式の小型化は「寂しい」ことではありません
私、和田裕助如く「死に方改革®」研究者であり、「旅のデザイナー®」が、変わりゆくお葬式のかたちと、その変化をどう受け止め、備えればよいかをやさしく解説します。
「お葬式が小さくなっていく…これでいいの?」
終活のご相談を受けていると、多くの方からこのようなお声をいただきます。
「最近はお葬式がどんどん小さくなっている気がして、自分の時はどうすればいいのか不安です」
「あまり人を呼ばないのは、冷たいと思われないでしょうか」
長年「お葬式は多くの人を呼んで盛大に行うもの」という時代を生きてこられた方にとって、昨今の変化に戸惑いを感じるのは当然のことです。どうかご安心ください。
今日は、その変化の意味をいっしょに紐解いていきましょう。
今、お葬式はここまで小さくなっています
ここ十数年で「家族葬」は一気に定着しました。そして今、さらにその先の「身内葬」へと加速が続いています。
この流れは単なる時代の流行ではありません。日本の社会構造やライフスタイルの変化が、静かにお葬式のかたちを変えてきているのです。
「家族葬」と「身内葬」は
どう違うの?
家族葬|10〜30名程度
ご家族だけでなく、親戚やごく親しいご友人も含めて行うお葬式。ここ十数年で広く定着し、現在も多くの方に選ばれています。
身内葬|10名未満(数名程度)
配偶者・子ども・孫など、本当に「ごく身内」だけで行うお葬式。親戚やご友人もお呼びしないのが基本です。近年、急増しています。
お葬式の枠組みが「家族」からさらに小さな「身内」へとシフトしています。
しかし、規模が縮まっても、故人を想う気持ちの深さは変わりません
なぜ今、「身内葬」が選ばれているのか?
「そんなに小さなお葬式にして、寂しくないの?」と思われるかもしれません。
しかし、身内葬が選ばれているのには、とても前向きで優しい理由があります。
遺族の「気疲れ」をなくすため
一般的なお葬式では、弔問客の対応に追われ「悲しむ暇もなかった」という声が多くあります。
身内葬なら、家族だけで水入らずの時間を持ち、心ゆくまで「ありがとう」を伝えられます。
高齢化による参列者の減少
80代・90代でお旅立ちの場合、ご兄弟やご友人も同年代。
「足腰が悪くて参列できない」「遠方から呼ぶのは申し訳ない」という理由から、無理に人を呼ばない選択が増えています。
遺される家族への「思いやり」
「子どもたちに金銭的・体力的な負担をかけたくない」という親心から、生前にご自身で身内葬を希望される方が非常に多くなっています。
小型化は「寂しさ」ではなく
「価値観の変化」
お葬式の小型化は、「人間関係が希薄になったから」という寂しい理由だけではありません。
「本当に大切な人たちと、温かく密度の濃いお別れをしたい」という、愛情ある価値観の変化なのです。
「人数が少ない=愛情が薄い」では決してありません。
むしろ、ゆっくりと時間をかけて故人のそばに寄り添い、家族だけで静かに感謝を伝えるひとときは、何十人もの人が集まる式とは異なる、かけがえのない温かさがあります。
「旅のデザイナー®」からの注意点:
呼ばなかった方への配慮
身内葬はとても温かいお別れの形です。ただ一つ、大切な注意点があります。それは「呼ばなかった方への配慮」です。
親戚やご友人の中には「最後にお別れをしたかった」と寂しい思いをされる方もいらっしゃいます。
① 生前に家族と話し合っておく
「自分の時は、家族だけで静かに見送ってほしい」という希望を、あらかじめご家族に伝えておきましょう。エンディングノートへの記載も有効です。
② 事後報告の手紙を準備する
お葬式後に「故人の強い遺志により、近親者のみで葬儀を執り行いました」と丁寧なお手紙(死亡通知)をお送りすることで、周囲の方にもご理解いただきやすくなります。
③ トラブルを防ぐ事前の話し合い
特に親戚関係が複雑な場合は、早めに身内同士で方針を共有しておくことが、後々の誤解や摩擦を防ぐ最善策です。
葬儀社の言葉に惑わされないために
お葬式は規模ではなく、です。大切なのは、ご遺族が納得して故人を見送れるかどうか。
100人で見送るお葬式も、5人で見送る身内葬も、故人を想う気持ちの尊さはまったく同じです。
惑わされず、ご家族が「これでよかった」と思える選択をしてください。
一番大切なのは「規模」ではなく「想い」です
正解はひとつではない
お葬式に「こうしなければならない」という決まりはありません。ご家族が納得できる形が、その方にとっての正解です。
小さいことは寂しくない
「お葬式が小さくなること=かわいそうなこと」では決してありません。温かく、密度の濃いお別れは、小さな式の中にこそ宿ることがあります。
後悔のない選択のために
大切なのは、その場の雰囲気や周囲の目ではなく、
ご家族が心から「ありがとう」と伝えられたかどうかです。
まず一歩:エンディングノートに気持ちを書き留めてみませんか?
ご自身のエンディングをどうしたいか。あるいは、ご両親をどう見送ってあげたいか。答えはすぐに出なくてもかまいません。
まずは、エンディングノートに少しだけご自身の気持ちを書き留めてみることから始めてみてください。
エンディングノートを開いてみる
「身内葬でいい」「家族にこうしてほしい」という気持ちをそっと書き残すだけで、家族への大きな贈り物になります。
家族とゆっくり話し合う
「私の時はこうしてね」という会話は、重いものではありません。愛情のある対話です。
「旅のデザイナー®」に相談する
お一人で悩まずに、専門家にご相談ください。
皆様の「納得できるお別れ」を、いっしょに考えます。